ぬーとぴっく

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2020年秋アニメ感想文 〜虹ヶ咲編〜

僕の中で2020年秋アニメNo.1だと感じた『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』の感想について書き留めておきます。
前半では、全13話の中でも特に印象に残った話をピックアップして書きます。
後半ではずっと、中須かすみさんの話をします。

本編について、順番に

前提

そもそも僕は『ラブライブ!』シリーズに一切触れたことがありませんでした。
アニメも観たことないし、アプリもやったことなかったです。
辛うじて曲をいくつか知っていたくらい。
例えば、バンナムフェスday2に参戦するにあたって予習したので、Guilty Kiss の楽曲たちは馴染みがあります。

この作品を観ようと思ったのは、TLにラブライバーが複数人いて前々から話題にのぼっていたこと、そしてどうやら過去作とはそんなに関係ないストーリーで初見でも大丈夫そうだと思われたことでした。
(好きな作品について積極的に話題に上げておくと、知らないところで布教が成立していることもある、という教訓が得られますね)

そんな感じで、内容に関する前提知識がほとんどないまま、虹ヶ咲のアニメを観始めました。

第1話

この時点で思っていたのは、演出が好きだな〜ということ。
登場人物たちの気持ちをすべて喋らせるのではなくて、表情やアイテムなどに語らせるところが良い。
具体的に挙げておくと、冒頭のせつ菜のライブシーンを観ている侑の反応や、侑と歩夢のやりとり、特に最後のライブシーンの前後あたり。だいたい全部だね。
言葉で全部説明されるよりも自然に登場人物たちに感情移入できました。

この時点では侑もスクールアイドルやるのかな?とか思っていたのが懐かしいですね。

第2話

このあたりで完全に虹ヶ咲の虜になっていたように思います。

かすみん、表情豊かだし行動も面白いし、画面内にいてくれるだけで楽しいな〜と感じていました。
でも、決してコミカルなだけじゃなくて、大事なことにちゃんと気付ける面を見せられて、一気に僕の中のかすみん評価が上がりました。

せつ菜の大好きに基づく練習に自分が違和感を感じて口喧嘩になった、という構図と、自分の思う「かわいい」自己紹介を歩夢に求めていて歩夢が困惑している、という構図が同じことにかすみん自ら気付く、という構成が凄い……

第3話

かすみんが何か話すたび、何か行動するたびに、うわごとのように「かすみんかわいい…」とつぶやく症状が、この頃から確認され始めた。

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「ひぃい!ごめんなさい!コッペパンあげるから許してくださいぃ!」

いったい何回このシーンを観返したことか。
めっちゃぬるぬる動くかすみん。
作画班に愛されてるのが窺える。

せつ菜さんの曲、1話冒頭の CHASE! もカッコ良かったけど、DIVE! もかっこいいね。

1-5話の一挙振り返り放送

なんの気なしに観始めたけど、面白かったです。
虹ヶ咲、キャラの言動がめちゃくちゃ緻密に計算されているので、後から観なおすと新しい発見がたくさんありますね。

あと、これを機に、虹ヶ咲のスクショを撮りまくるようになりました。
かわいいかすみんの表情をいつでも見られるように!
アニメのスクショを一生懸命に撮るのも、これが人生初でした。

第6話

天王寺さん...

ライブパートのカットインのあの表情たちは、一体「いつ」「誰に向けられた」表情なんだ...

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天王寺さんが「りなちゃんボード」を使うようになった経緯としては納得のいくストーリーなのだけど、なんかこの先(アニメ最終話の先)さらに天王寺さんに変化があるのでは?と予感させる内容だったように思います。
今は、りなちゃんボードを使ってファンや仲間とコミュニケーションをとっているけど、この先りなちゃんボードを使わずとも気持ちを伝えることができるようになるのでは?
ライブパートのカットインたちは、その時に見せた表情なのでは?
みたいな深読みをたくさんしてしまいました。

ある意味で最も咀嚼しきれていない回。

第8話

しずくの違和感にすぐに気付くかすみん、えらい!
しずくに気を遣って、リフレッシュしてもらえるように遊びに誘うの、優しい!
頑固なしずくの本音を引き出して、それに自分の本音をぶつけて勇気づけるの、かっこいい!

かすみん、良い子すぎる……
僕の中でかすみんの好感度がカンストしました。

冒頭でしずくが「理想のスクールアイドルを演じたい」と言ってるのを聞いて、
それは心の在り方として不健全じゃないか…?
とか心配しながら観てましたが、すべてかすみんが解決してくれました。

ふたりとも、お幸せに……

第10-11話

このへんの不穏なシーン、ずっとハラハラしながら観てました。

ここまで「幸せな世界」を体現していた虹ヶ咲だったのに、ここに来て雰囲気が一転して緊張が走った10話。
それでも10話で発生した不穏は11話で解決するんだろうなと思って緊張しながら挑んだ11話だったのに、一向に触れられることのないまま進んでいくAパート。
あれ、もう11話終わるのでは?と思っていたら、最後の最後に爆弾落としてきてEDって……

完全に製作陣の掌の上だったように思います。

ファンのためになるならどんなスクールアイドルになってもいい、という前提で色々なソロアイドルになってきていたのに、歩夢は侑だけのための存在になろうとしていて、虹ヶ咲で目指そうとしていることを否定しうる状況になっているのでかなり肝が冷えました。

これまでの話で歩夢の気持ちがわかる発言はされていないかな?と観返したりもしたけど、歩夢は自分の気持ちを全然口にしないから、どの段階でどのくらい変化してきていたのかもよくわかりませんでした*1
そう考えると、11話で歩夢が侑に本心を伝えられたのは大きな1歩だと、改めて感じますね。

11話、試しにniconico動画のコメントを観に行ったら「虹ヶ咲 School Days 同好会」だ何だとネタにされていて、ちょっと面白かったです。
ゆうぽむの気持ちと真剣に向き合う上ではノイズになったのかもしれないけど、ネタにされてなかったら僕のメンタルがやられていたかもしれないので、まあ良しとしましょう(?)

第12話

すべてが解決して、本当に良かった。

侑だけのアイドルになりたいという気持ちは1話の頃からずっとあったようだけれども、ここまでの間にファンのための存在になりたいとも思い始めていたんだね。
そして、自分の目指すものが変化していることと向き合う中で、侑との関係性が変化していくことも受け入れる必要があると悟る、という。
落とし所が全く読めない展開だったのに、めちゃくちゃ綺麗に着地させてきて、本当にすごい脚本だ......

侑もせつ菜もめちゃくちゃかっこよかった。
侑がせつ菜に事情を訊かれてもこれは自分たちの問題だからと介入を拒んだシーン、せつ菜がそれでも顔を曇らせている様子の歩夢を心配して声をかけて背中を押してあげるシーン、侑が歩夢にピンクのガーベラを渡すシーン。
少年漫画の主人公の風格を感じますね。

でも僕は、歩夢もかっこいいと感じました。
10年以上一緒に歩いてきた幼なじみと、今後は別々の道を往くと分かっていながら、笑顔でいられるのは本当にすごい。

これ「夢を追いたい気持ち」と「大切にしてきていた現状を変えたくない気持ち」で葛藤している人へのメッセージでしょ。
変わっていくものの中に、変わらないものもあるよっていう......

このアニメの中で1番刺さった話かもしれないです。

第13話

最終話は、いったいどういう気持ちで観ればいいか分からなかったです。
このままずっと終わってほしくないような、ちゃんと結末を見届けたいような…

アニメから入った僕は、侑が自分(プレイヤー)の分身であるという認識は薄かったです。
でも、この最終話で語りかけられている「あなた」は、侑やあの世界のファンだけではなくて、アニヶ咲を観ている自分にも届けようとしている言葉だろうなと受け取りました。
「あなた」に語りかける役割を担うのが、1番侑と関係が深い歩夢というの、良い配役ですね。

 
僕も、何か挑戦する自信がほしいときに、アニヶ咲を観返そうかな。

アニヶ咲、最後の最後まで良かった。
できれば、同じ製作陣による2期が来てほしい。
もしくは続編なしで、このまま伝説になってくれてもいい。
製作に携わった方々には本当に感謝しています......


中須かすみさんについて

各話の振り返りをしている際の語り口からだいぶ察すると思いますが、虹ヶ咲の推しは中須かすみさんです。
いや、虹ヶ咲の登場人物の中で相対的に好き、とかじゃなくて、僕がこれまでの人生で触れてきた創作物のキャラの中でトップクラスに好きです。

僕はめんどくさい人間なので、好き嫌いのパラメータを個人ではなくて、その人が特定の状況で特定の相手に見せる『側面』*2の単位で好き嫌いを割り振ります。
そのため「めちゃくちゃ好きなキャラ」というのがあんまりできなくて、ゲームの選択肢・グッズ選び・ペンライトの色など、推しを決めなきゃいけない段階になって初めて悩み、なるべく一点豪華主義を意識しながら「推し」を決定することが多いです。
このコンテンツだと〇〇(キャラ名)のあの側面が1番好きだから、〇〇を推しにしようかな、そんなに好きじゃない側面もあるけどそこには目を瞑ろう、みたいな。

その点、かすみんは圧倒的でした。
アニメの中で描写されたおおよそ全ての側面が好みのどストライク。
一挙手一投足すべて好きだったと言っても良い。
虹ヶ咲のアニメが、製作陣がそのときそのときのキャラの感情についてかなり深掘りしてくれているのを存分に享受できたように思います。
本当に自信を持って推せると思った希少な事例でした。

1番好きなところ

そんなかすみんのどんな側面が1番自分に刺さったかな、と考えてみると、自尊感情を自給自足しているところでしょうか。

かすみんは、いつも自信満々。
自信満々な態度なのにポンコツムーブをするから、周囲から塩対応されることもしばしば。
それでもなお自信満々でいられるところが、好き。

かすみんだってこーんなに可愛いのに、褒めてくれない人がたくさんいるんだよ!

8話でしずくを説得するシーンのセリフとかを聞いていると、かすみんは自分のことをかわいいと言ってくれない人がいることをちゃんと自覚していることがわかる。
それでも自分のことをかわいいと言い続けている。

こういったかすみんの内面の葛藤は、無敵級*ビリーバーで描かれている。
(かすみんのソロ曲で1番好き!)

無敵級*ビリーバー

無敵級*ビリーバー

  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

今日より明日の自分のこともっと
大好きになっていたいんだ

焦ったり弱気になったりすることはあっても、鏡の向こうにいる自分自身に向かって励ましの言葉を投げかけ続けるかすみん。

かすみんは誰かに褒められると喜ぶけど、それを心の支えにしてるわけじゃなさそう。
いつも笑顔でかわいい自分を見せられるように、自分で自分を奮い立たせている。
そういう姿がめちゃくちゃかっこいい。
人として尊敬するし、自分もそうありたい。

自信満々なところも、ポンコツなところも、塩対応されてショックを受けているところも好きだけど、1番好きなところは、塩対応されても自信を失わないような心の在り方
かすみんの好きなところを言語化するとこんな感じです。

あー、まじめなはなしをするの、つかれたな。
もっとあたますっからかんでできるはなしをしよーね。

かすみん、顔が良くないですか?
さすが「かわいい」を自称しまくるだけあるね。
ちなみに「かすみんの好きな顔選手権」の結果は、以下のようになりました。

第3位

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第4話で愛先輩に「スクールアイドル  害  概論」を講義しているシーン。
眼鏡をかけたかすみんは知的に見えるし、新鮮な感じで好き。
「合格♡」のスクショも(主にポージングが)好きだけど、こっちの方がかすみんの整った顔が鮮明に描写されていて目の保養になるので、こちらを選びました。

第2位

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第11話で生徒会にスクールアイドルフェスティバルの申請書を最初に提出しに行ったシーン。
相手はスクールアイドルも知らないというアウェーの場所でも、かわいさアピールを忘れないかすみん。
横にいる侑がかすみんを微笑ましく見守っている様子も良いですね。
そのあと生徒会の人々に具体的に問題点を指摘してくれているとき、お口に手を当ててアワアワしているかすみんも大好き。

第1位

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第3話で、かすみんと方向性が違うけれどもせつ菜も同好会に必要だと言えて褒められているシーン。彼方に大きくなったねと褒められて「バカにしてませんか?」と嬉しさ半分とまどい半分のかすみん。
このシーン、かすみんのお口が閉じているスクショより開いているスクショの方が好き!
平和度合い100%なのに、かすみんが眉をひそめていて「かす虐ポイント」も加点される美味しい1枚。

番外編

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ちなみに1番好きな「かす虐」シーンは、第11話のかすみんBOXのくだり。
自信満々にかすみんBOXなる意見箱を開封すると0票で愕然とするかすみん。
かすみんBOXを一生懸命手作りしたであろうことが想像できて、そこからの落差が良い。
傷ついたかすみんが侑に抱きついているシーンも、大変お顔がよろしいですね。

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ちなみに僕は、かす虐も好きではあるけど、どちらかというと笑顔でいてくれた方が嬉しい派です。穏健派。

 


よくわかんない文章を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
この記事の要旨は「アニメ虹ヶ咲よかったね…」「かすみんかわいいね…」の2つです。
記事を書くのがちょっと遅くなりましたが、虹ヶ咲は2021冬でも再放送やってるので、セーフってことにしておいてください。

これで視聴していた2020年秋アニメの感想文はすべて書けたことになります。
ちゃんと書き切れて、良かった〜〜

他のアニメの感想記事はこちらから↓

snowp11.hatenablog.com

snowp11.hatenablog.com

もしかしたら更に総括的なポジションの記事を書くかもしれません。
そちらも書けた際にはよろしくお願いします。(ペコリ)

*1:僕が見落としているだけかもしれませんが

*2:ペルソナとか分人とかの概念に近いかもしれない。そういった概念を知る前に確立させた人間観なので、明確に関係があるわけではないけど。