2020年秋アニメ感想文その2
ハァハァ、やっと「その2」を書けた……
このブログは「その1」の続きですが、観たアニメの感想を1つずつ書いているだけなので、完全に独立して読めます。
- アクダマドライブ
- アサルトリリィ BOUQUET
- 安達としまむら
- ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会
- 神様になった日
- 魔法科高校の劣等生 来訪者編
- STEINS;GATE (シュタインズゲート)
- 無能なナナ
アクダマドライブ
木曜24:30-25:00
この項目はネタバレを含みます。
未視聴の読者は次の項目にジャンプすることを推奨します(アクダマドライブはネタバレ無しで観た方が面白いと思うので)。
ちなみに年末年始(2020-2021)は無料で視聴できますよ。
【年末年始も全・員・無・料】
— TVアニメ『アクダマドライブ』公式 (@akudamadrive) 2020年12月24日
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ダンガンロンパと同じ作者らしいと聞いて視聴。
それなりに楽しめたと思う。
次から次へと予想外の展開が起きていくところと、アクダマたち処刑課たちのバトルの白熱っぷりが目玉だと思う。
特に6話が激アツで、自分はこのあたりが1番好きだった。
これまでは侮られないようにと口先だけで自分の偉大さを誇張してきていたチンピラが、初めて喧嘩屋の言葉に心からの賛同を示し始めた矢先のことだったし、喧嘩屋が死んだ後も喧嘩屋の生き方への憧れが残り続けている。
一方で弟子は、師匠の死後、師匠に似た冷徹な喋り方をするようになる。
これは死を乗り越える過程で自分の「甘さ」を捨てようとした結果だと思うし、師匠も昔ペアの相方を亡くして弟子と同様のつらさを乗り越えた結果がいまの姿だったりするのかな、などと想像を巡らせた。
こういったチンピラと弟子が敬愛する者の死を乗り越えようとしている姿が、とても胸に響いた。
処刑課がツーマンセルで行動している理由もかっこよかったし、エンドロールにもネタを仕込んでくるのも良かった。
一方で、物語の締め方はどうなの?という気持ちにもなった。
兄妹はひとまずの窮地を脱したとはいえ、シコクが本当に安全な場所なのか分からないままだし、ディストピアの端の方で細々と生き延びていくことが果たして救いになっているのかは微妙な気はしている。
(兄妹そろって居られることがゴールだから良い、ということなんだろうけど)
そういえばダンガンロンパ(1だけアニメで観た)のラストも似たり寄ったりだった気もするし、この作者あるあるなのかな?他の作品は知らないから決めつけは良くないかもしれないけど。
(ダンガンロンパの時はこの作品の主題は謎解きだろうからと気にしないことにした覚えがあるけど、アクダマドライブではそうはいかない)
あんまり登場人物たちを雑にディストピアに放り出して物語終了にしないでほしい気もする。
ラストまで辿り着く頃にはキャラに愛着を持ってしまっているし、その後の無事を祈りたくなるってものよ……
ところで、この作品って何か視聴者に訴えかけたいテーマってあったりしたのかな?
あるとすれば「処刑課/一般市民(=正義)とアクダマ(=悪)は紙一重である」あるいは「アクダマたちは自由だからこそ生き生きとしている」あたり?
でもこういったメッセージを軸に物語を組み立てたようにも感じられなかったので、いまのところ単に良質なエンタメ作品と受け取っておいている。
解釈バトルは受け付けているので、こうじゃない?っていう意見があったら教えてね。
アサルトリリィ BOUQUET
木曜25:30-26:00前後
今期1番アニメとの向き合い方を問い直された作品。
最初から提示されていた夢結の過去のトラウマが3話にして解決!?それは展開早すぎない?
と思いきや、全然解決していなかったし、12話かけてずっとそれに焦点を当ててやってたね。
ここが結構自分の中で評価高かったポイント。
現実の心の傷は、劇的な1つの出来事で完治することもあるかもしれないけれども、多くの場合はじっくりと時間をかけて癒していくものだろうからね。
3話で見限ったりしなくて本当に良かったよ。
ちなみに特に気に入った話は4話と10話だった。
4話、神琳と雨嘉のお互いに対して抱いている信頼関係はかなり好きだったし、普通に戦闘技術の描写がかっこよかったのもある。
たぶん心の距離が最も近いペアはこの2人だよなぁ(edサビ入りレズセしてるし)。
以降、なんとなくこのペアのことを応援していたし、(お風呂とかで)2人きりの世界に浸っている描写がしばしばあったのをうっとりと眺めたりしていた。
10話。楓・J・ヌーベルさん……
梨璃への想いが報われて、本当に良かったね……
この髪飾りのおかげで梨璃が絶望しきらないで済んで安堵したし、
ちゃんと楓・J・ヌーベルさんの存在が梨璃の心において小さくない部分を占めている描写から、空回り気味だったように見えたこれまでの行動が報われているのが分かって、我が事のように嬉しい気持ちになっていた。
ところで、10話について、この考察ブログがとても良かった。良かったというか、圧倒されたというか。
TLを眺めていると時々ものすごい解像度でアサルトリリィの主題を紐解いたツイート・ブログが流れてきて、そんなに計算づくで組み上げられた物語だったのか…と感銘を受けた。
そういう経緯で、いま最も最初から見返したいアニメ。できればガチ勢の方々のオーディオコメンタリーがほしいところだけど。
こういった考察に触れる機会はリアタイならではだよね。
自分がすぐに理解できなかったからといって駄作だと決めつけるのは本当に良くないなと思い知らされた作品となった。
アサルトリリィを途中で視聴をやめずに最後まで視聴しようと思ったのは、間違いなく Edel Lilie とかいう完全神edのおかげ。
どれだけ話についていけなくても、毎週 Edel Lilie のイントロ流れるたびに叫んでましたからね。
最後まで視聴するモチベーションをくれて、本当にありがとう!
安達としまむら
木曜26:00-26:30前後
アサルトリリィ第1話を観終わった後、次の枠のアニメで卓球が出てくるっぽい?と知って視聴。
結局、卓球は全然しなかったね。もっと卓球をしなさ〜〜い!!!
この作品、モノローグがめちゃくちゃ良かった。
特にしまむらの、人間関係に対する冷え切った目線を紡いだモノローグが刺さりまくった。
言葉選びがとても上手で、温度感とか手触りとかが伝わってきて、しまむらの気持ちを自分の中でかなり正確に再現して追体験することができたように思う。
あだしまは、文学。
一方で、本編のストーリーは自分には合っていなさそうだった。
そもそも、三角関係とかいうやつ、そんなに好きじゃないんだよな。
みんなが幸せな結末を迎えられないので…
たるちゃん、ストーリーの構成上それなりの時間かけて安達の気持ちに触れてきたから、君を応援することはできないけれど、でも、たるちゃんはたるちゃんで幸せになってくれ……
てか、ヤシロは結局どういう役回りのキャラとして導入されたのか全然分からなかったな。なんかしまむら妹とくっついているけど、安達としまむらの関係にどう絡むんだ?もしかしたらこれから先明かされるのかもしれないけれど。
ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会
土曜22:30-23:00
お前が2020年秋アニメNo.1だ!!!!!!!
ということで、別に1本ブログ書きます。
書いたらここにリンク貼るね。
神様になった日
土曜24:00-24:30
唯一観たことあったKey作品であるところの Angel Beats! は面白かったので、Keyブランドに期待を寄せて視聴。
Twitterではボロカスに叩かれているけれども、中盤くらいまでは面白かったのでは?と僕は思っている。
最初「あと30日で世界は終わる」とか言われていながら全く危機感なく青春を謳歌している主人公たちを見て本当にそんなことしてて良いの?それで世界の崩壊を止められるの?と思っていた。
それが、終わる世界というのは雛個人にとっての世界であること、そしてそれを止める手段が恐らく無かったことを悟っていくにつれて、見方が変わっていった。
いまそのときを楽しんでいた主人公たちが完全に正しかったし、世界が終わるにしては話のスケールが小さかったことが腑に落ちた。
また、楽しかった日々の意味合いが変わっていって涙腺を刺激してくるし、ずっとこの日々が続いてほしいと願ってやまなかった。
ここまでが良かったと思うのだけど、問題は雛にとっての世界が終わった10話以降。
雛が施設で暮らすのと陽太の家で暮らすのはどちらが幸せかという問題は、(現実的な問題をすべて無視しても)究極的には雛の気持ちの問題であるはず。
それなのに、雛にとって成神家で過ごすことが1番の幸せだと決めつけて、なんとしても成神家に住むという申し出にYESと答えさせようと躍起になっているのは、違うんじゃないか?と思ってしまった。
(加えて、陽太が介護の知識に乏しいことを差し引いても、雛への思いやりが欠如した行動の数々を見て、僕はわりとドン引きしてしまっていた。)
もっと陽太の選択と物語の結末を密接に結びつけるような設定にしたら良かったんじゃないかな*1。
そしたら僕の中では面白いアニメとして受け取れていたと思う。
魔法科高校の劣等生 来訪者編
土曜24:30-25:00
ぽんこつリーナたそ、萌え!!!!!
魔法科は原作からのファンなのだけど、正直リーナをここまで魅力的に映像化してもらえるとは思っていなかった!
ここまでのストーリーでは終始整った顔を崩さずにきたアニメだったけど、ここにきて思いっきりコミカルに顔を崩してくれるの、えらい。
リーナの魅力を描くにはそれで正解だよ。
たぶん原作を読んでいた当時とはキャラの好みも変わってきているのもあるとは思うのだけど、いまの自分の性癖に刺さった。
それにしても、アニメ化において追憶編を飛ばされたのはいただけないなぁ。
映画オリジナルストーリー「星を呼ぶ少女」が悪かったとは言わないけど、そこでは追憶編をやるべきだったのでは?と思ってしまう。
もともとは主人とボディーガードというだけの関係であった深雪と達也が、いまのような親密な関係になった経緯を描いた物語。
アニメの最後の方ででてきた桜井水波さんの血筋が、四葉とどのような関係にあるかも描かれている。
僕の中では魔法科の中でもかなり好きな方の話なので、アニメ観ていて魔法科に興味を持った方々には是非読んでほしい。
単行本1冊分なので、すぐに読めるよ。
最後3話分はダブルセブン編で出てくるシーンを織り交ぜたアニメオリジナルだったと思われる。
魔法科高校の優等生のアニメ化が終わったら、ダブルセブン編もアニメ化するつもりなのかな?
ともかく、あまりにリーナがかわいかったので、最終巻まで揃えてリーナの今後の活躍ぶりを追ってみたくなった。
このアカウントは、ぽんこつリーナたそを応援しています。
STEINS;GATE (シュタインズゲート)
土曜24:30-25:00 (再放送・前半クール)
遥か昔に視聴して面白かった記憶があるので、再放送を機に2周目の視聴。
魔法科と同じ時間帯に別のチャンネルでやってたのでリアタイはしてないけど、ちゃんと放送と同じようなペースで観たので、ブログに書いておく。
まず、いかに伏線をしっかりと張っているアニメであるかを再確認できたのが良かった。最初観たときは「ひっかかりを覚える」程度だった描写が、全ての種明かしを分かっている状態で観ると「ああ〜たしかに〜」ってなって楽しい。
え?普通はシュタゲは即2周目するもの?
僕もそう思う……
これ、種明かし前にほとんどを推理可能なほど伏線を張ってくれているのかな?
最初観たときは、シュタゲがこんなにもロジカル*2なアニメだとは思ってなかったからな〜
ロジカルに考えちゃダメ(雰囲気を楽しむべき)なアニメもあるし、初見のときどこまでちゃんと推理すべきかは難しいところだよね。
あと、最初観たときと比べて自分が変化したことを感じられたのが面白い視聴体験だった。
例えば、最初観たときは秋葉原行ったことなかったし、声優さんは1人も知らなかった(edで声優さんを確認することもしてなかったと思う)。
ある程度秋葉原を歩き回ったことがあると、いかにシュタゲが秋葉原を正確に再現しようとしているか分かって楽しいね。
今度あらためて聖地巡礼しようかな。
今回1話edを視聴したとき、声優陣の豪華さに驚いた。
特に今井麻美さんは、アイマスの如月千早役として馴染んでいたのに、牧瀬紅莉栖のcvだったの気付かなかった。
他も名前聞いたことある声優さんばかりで、かなり驚いた。
そんな感じで、この再放送は自分にとってはかなり面白い視聴体験になった。
2020秋に再放送されたのは前半部分までなので、後半も楽しんでいきたい。
……よくもまあ、具体的なネタバレに一切触れずにシュタゲの感想文書けたな。
無能なナナ
日曜22:00-22:30
無能なナナは、ネタバレによって本質的に面白さが損なわれる作品です。
良い子のみんなはネタバレを踏む前に本編を履修しましょう。
この作品自体は各種サブスクリプションサービスで視聴できますよ。
今回の感想文はボカしながら書きましたが、閲覧の際は気をつけてください。
まず、1話の掴みが最高。あの展開には痺れた。
そして続く数話も(少なくとも4話くらいまでは)面白さはあまり衰えなかったから、毎週楽しみにしていた。
正直、能力者の能力の設定が甘い、個別の事件のトリックが雑、トリック全部バレて動機だけ不明はダサい、などと「知略サスペンス」としてはツッコミどころは沢山ある作品だったが、13話で泣かされたから僕の負けです。
能力者vs無能力者の構図を見ていると、ナナは感情的にならずにサクサク抹殺していくサイコパスキャラでも僕は全然満足だったのよ。
でもね、10話あたりから明かされ始めてきたナナの過去を観ていると、どんどんナナに同情し始めてきちゃってたし、それを13話にして解決してあげられたミチルの好感度は爆上がりしていた訳ですよ。
ナナもミチルも救われてほしいと、願い始めていた訳ですよ。
それであのラスト。完全に泣かされました。
僕の負けです。無能なナナは名作です。
ブログって、書くの疲れるね...
アニメ1本あたり1時間以上かけたと思う。
でも、その甲斐あって、ちゃんと「自分の言葉で」書けたはず。
虹ヶ咲の感想文も頑張って書くので、またよろしくね。
2021年1月上旬には書き上げたいなぁ...
*1:例えば、こんなのはどうかな?
鈴木少年が手を回して雛は成神家で介護していくことになったが、一生懸命に身の回りのお世話をするけれども予想以上に大変だし雛の反応は無い/薄いしで報われない思いをする毎日。介護を続けるのが難しいなら良い介護施設を紹介することもできると言われて、雛にとっての幸せは何だろうかと思案する陽太。自分が好きだったのは元気だった雛なのか、元気じゃない今の雛は好きではないのか。そんな中、あの夏の思い出に関係する物に対していつもよりも強い反応を示す雛の姿を目撃。関連する物をいくつか見せてみると確かに雛にはあの日々の記憶が残っていることが分かり、映画のキャストコメントを聞いて、それが陽太にとっての救いとなって雛の面倒を見続けていくと心に決めて、物語は幕を閉じる。
………正直ここで書いてみたプロットが文句なしだとは全く思ってない。でもあの病状からあの結末は "出来すぎている" し、普通に起こりうるのはこういう感じのことだと思う。研究所でゲームするんじゃなくて、その尺で自宅介護というものが如何に大変なものか向き合った方が、最終的に導き出した自宅介護をしていくという結論に重みが生まれるとも思うし。少なくとも、障害のために記憶に欠損の見られる人間に対して「一生懸命に思い出させる」みたいな行動を見たくなかったな。